超重要指標「米国雇用統計」
世界各国が発表する経済指標には色々な物があります。
日本であればGDPや、日銀の発表する政策金利に注目が集まります。
ヨーロッパであればEU全体の指標も重要視されますが、EU加盟国最大の経済国家であるドイツの指標に大きく左右される事も多いです。
ではアメリカが発表する経済指標で一番重要な指標は何でしょうか?
GDP速報?
これも大事ですが、違います。
CPI?
多少注目されますが違います。
雇用統計?
正解です!
米国雇用統計が世界中で最も重要視されている経済指標になります。
何だってアメリカの雇用統計がそんなに重要視されているかと言うと、世界で最も経済的に発展している国家の雇用統計だからです。
アメリカの景気が上向けば、現在展開されているQE3(金融緩和策)が早めに解除される可能性も出てきますし、雇用が悪化し景気が落ち込むような事があればアメリカの消費が冷え込みアメリカに輸出している国の生産が落ち込んだりと、影響は多岐にわたります。(もちろんもっと色々な影響がでます)
米国雇用統計では下記の2点が発表されます。
1、失業率
2、非農業部門雇用者数変化(前月比)
どちらも非常に重要で、両方が市場予想よりも良いと米ドル高に進み、両方が市場予想よりも悪いと米ドル安に進みます。
片方が良くて片方が悪いというちぐはぐな結果だと市場はあまり動きません。
政府機関閉鎖の余波で大幅にずれ込み
さてそんな最重要指標である米国雇用統計は毎月月初の週末金曜日に発表されています。
市場参加者は固唾を飲んで、米国雇用統計の発表を待ち、発表に合わせて事前に仕込んだり、発表と同時に売買をしたりします。
うーん、盛り上がる!
そんな月の第一週の週末金曜日ですが、2013年10月は事情がちょっと違います。
本来は10月第1週金曜日の10/4の21:30に発表されるはずでした。
ところがアメリカ議会の紛糾により、2014年度の予算の法案が通らず10/1から政府機関が閉鎖に追い込まれました。
これにより各種指標発表機関も軒並み閉鎖となり、大事な大事な米国雇用統計発表までも延期されるという異常事態に陥りました。
ようやく米議会が予算を通したのは10/16。
すぐに発表できる訳もなく、本日10/22(火)という中途半端な日に米国雇用統計が発表される運びとなりました。
通常は非常に市場が反応しますが、9月の雇用統計なのでもうだいぶ日数も経ち、いつも程は市場が反応しないのではないかと言われています。
しかし今朝からの為替市況はほぼ動かずで、米国雇用統計発表待ちの様相を呈しています。
さぁさぁどうなりますやら?
今宵の米国雇用統計発表に注目です。
市場予想
ちなみに市場予想も載せておきましょう。
9月 失業率 前回7.3% 予想7.3%
9月 非農業部門雇用者数変化(前月比) 前回16.9万人 予想18.0万人
【文言解説】
GDP(ジーディーピー)
国内総生産。
gross domestic productの略。
国内総生産(こくないそうせいさん)
国民総生産から海外で得た純所得を差し引いたもの。国内の経済活動の指標として用いられる。
CPI
[略]Consumer Price Index 消費者物価指数.
雇用(こよう)
賃金を払って人をやとうこと。「終身雇用」
「雇」も「傭」もやとう意。全体の意をくんで、「雇用」を代用表記としたもの。