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スワップポイント黒歴史。サブプライムローン危機にリーマンショック。スワップ金利勧める奴は叩かれる!

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スワップポイントを狙った運用はタブー?

昨日の記事でFXのレバレッジ1倍でスワップポイント(スワップ金利)を貯める事で、外貨預金並の金利分が得られる事を紹介しました。

スワップポイント(スワップ金利)をニュージーランドドルで貯めて貯金生活♪ - マネー報道 MoneyReport
スワップポイントだけを狙って低レバレッジの運用であれば、リーマンショックであっても破産せずに金利の旨味だけを得ることが出来ます。要は投資も頭の使いようです(^_^)v

しかもこの記事は当ブログ久々の人気記事となり、はてなブックマークのホッテントリ(人気記事)入りを果たしました(*^-^*)/

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ありがとうございました!

ですがこの高金利通貨と日本円の低金利通貨の金利差(スワップ金利)を得る手法は、
FX(外国為替証拠金取引)界隈では現在タブー視されています。
それは昨日の記事に対してのブコメを見てもらえれば明らかです。

id:fukasho39さん
”時間をかければ必ず買い値に戻してくるので大丈夫です” いやこれは言っちゃだめだよ。


id:ryojuさん
これを読んでなるほどとか思っちゃった人は「金利裁定」「金利平価」あたりでぐぐってみてほしい。初心者向けと称してこういうミスリードなことを書くのはほんと罪深い。


id:mikio01さん
お願いです。騙されないでください。


id:yqb38800さん
今は1NZドル=86円だけど、リーマンショックの時は45円。資産が半分になっちゃう事もある。


id:berlin1939さん
1ドル=360円って知ってる?


id:moocmoocさん
スワップポイント狙いは死ぬ。


id:rti7743さん
スワップ派は死に絶えたと思ったけどまだいたのかwww スワップ派は、スワップが意味ない上がり相場の時にうまれ、固定相場のときはなんとかなるけど、下がり相場になった途端に即息絶えて死ぬ。これまでもこれからも


id:aceraceaeさん
未だにスワップ派はいたのか。たしかにレバ1倍ならロスカットになる確率はかなり低いけどさ。それはともかくスワップ派ってなぜか円安になってから表に出てくるんだよね。たしかに自分は利益出ただろうけど、これか


id:redlabelさん
俺も10年前はそう思ってたよ。スワップためて1万ドルずつ追加で建てて複利でウハウハってね。


id:PROOFさん
ちょっと待て、高金利通貨は高インフレを招いてるから、そう単純な式ならないぞ。短期的には儲から可能性はあるが長期で見れば、インフレを起こし、±ゼロの可能性がある。低リスク中リターンとは簡単にはならない。

どうしてここまでスワップポイントを狙ったトレードは忌み嫌われるのでしょうか?
それは日本における過去のFXの趨勢を遡る必要があります。

日本のFXブームの頃は「猫も杓子もスワップポイント」

時は2006年。
FXの第一次ブーム真っ只中。
当時のマネー雑誌の触れ込みはこうでした。

「高金利通貨を買えば、スワップ金利で誰でも儲けられる!」

当時、既に私もFXのトレードをしていたのでよく知っていますが、当時は日本だけが不景気で、その他の国々は好景気でこの世の春を謳歌していました。
日本は不景気でゼロ金利政策を展開し日本円は低金利。
オーストラリアやニュージーランドは好景気でインフレ抑制のために高金利を維持していました。
当時のニュージーランドドルの金利は8.25%。日本は0.00%。

 NZドル8.25% - 日本円0.00% = 8.25%

という超高金利のニュージーランドドルを買うだけで、年利8.25%の増加は約束されていました。
しかも日本だけが金融引き締めで海外は金融放任のため、日本円だけが通貨安へと進む状況でした。
世界中の投資家達が「円キャリートレード」に手を出して、自国通貨を一度低金利通貨である日本円に換金してから株式やリスクの高い金融商品を購入する資金源として使う取引も活発に行われ、なおのこと円安へと進むことになりました。

そんな状況下の2006年は正に猫も杓子も「高金利通貨を買っておけ!多少下がってもスワップ金利がもらえるし、どうせすぐに戻ってきて上がるから!」という風潮が強かったです。
日本の個人投資家達がFXに群がり、誰もが我れ先にと高金利通貨である「オーストラリアドル」と「ニュージーランドドル」を買った(買いポジションを持った)のです。
当時は確かにずっと右肩上がりで円安が進んでいる状況で、少し下げでもしようものなら「押し目買いのチャンスだ!」と日本人が群がって買い漁ったものです。
もちろん、当時の私も買いました(笑)。

今にしたら笑い話ですが、当時はこんな事も起きました。
自国通貨高に苦しんでいたオーストラリアの中央銀行が、自国通貨高牽制のために為替介入を行いました。
一気に円高に向かいましたが(豪ドル/円が下がる)、それをチャンスと見た日本人の個人投資家達(着物トレーダー達)が豪ドル/円を買い仕掛けしたんです。
現在のFXトレーダーの常識としては「中央銀行の為替介入には逆らわず、中央銀行の介入方向にトレードしろ!」が鉄則です。
相手は何兆円と自国通貨を売りますから、個人投資家の資産規模で対抗出来る訳がないのですが、当時の日本人トレーダーの見識は狭く「高金利通貨が下がったら買え!買っとけ!」が流布されていたため、皆買ってしまうという暴挙に出ました。
これは海外勢の投資家にはひどく驚かれた様で、為替のニュースになっていました。

まぁそのくらい、当時の日本人投資家はFXについての知識がなく「高金利通貨を買う!利益確定は入れても、損切りは入れない。なぜなら下がってもスワップ金利がもらえるし、どうせ下がっても戻ってきて上に上がるんだから」と皆が思っていました。

スワップポイント狙いトレードの暗黒歴史

そうして迎えた2007年6月をピークに、高金利通貨は下落を開始します。
アメリカの低所得社向け住宅ローンである「サブプライムローン」を端に発するサブプライムローン危機が為替相場に影響を及ぼし始めます。

以下のチャートはニュージーランドドル/円の10年間分のチャートになります。

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2007年6月に95.5円という高値を付けたニュージーランドドルは、僅か2ヶ月の間に14円も値を下げて80.83円まで下落しました。
それまで円安一辺倒だった為替相場が一転し、急激な円高に振れてしまったのです。

私はこの時のサブプライムローン危機で、投資資金の90%を失いました。

何も資産を失ったのは私だけはありません。
買うばかりで、損切り指値も入れずにスワップ金利だけを狙っていた日本の個人投資家達は、ここで半数が破産し市場から退場宣告を受けました。

その後、少し戻して横這い相場が続くのですが、2008年9月15日にアメリカの投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻し、世に言うリーマンショックが起きて、残りの半数の投資家達を破産に追い込みました。

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この時の暴落は悲惨でした。
2008年7月に77.00円を付けていたニュージーランドドルは僅か半年後の2009年1月に45.2円という値段を付けて底を打つという。
過去に無いような記録的大暴落をしました。
当時の触れ込みは「100年に一度の金融危機」という言葉でした。
2007年6月の天井95.5円から見れば、1年半でニュージーランドドルは半分の価値の45.2円まで下落したのです。

この半分まで下げた大暴落により、スワップ金利を狙ってトレードしていた90%の投資家がFX取引口座に入れていた資金のほぼ全額を失う事になりました。

この苦い辛い教訓から

スワップ金利を狙ってのトレードはFXにおいて悪である

という共通認識がFXトレーダー達の間に定着しました。
これ以降は、それこそスワップ金利を狙ってのトレードを人に勧めようものならば「こいつは馬鹿か?リーマンショックの悲劇を知らんのか?」と罵られる対象となりました・・・。

だ・か・ら

私は昨日のブコメやツイートでDisられ、ボコボコに叩かれた訳です。

「黒歴史を知らんのか?この絶滅危惧種!」

という訳です。
FXトレーダーにとっては思い出したくもないスワップ金利狙いトレード

そんなものをきちんと戦略も明示せずに紹介して、あまつさえ初心者に勧めたりしたものですから、フルボッコに遭いました(T_T)
まぁしょうがありません。

あの悲劇を知っている者なら、ましてやあの百年に一度の金融危機に遭遇し、財産を失った者からしたら「暗黒の歴史を繰り返すなボケ!」と叱ってやりたくなるのも、よく分かります。
私も経験しましたから。

本当にあの頃は辛かったなぁ・・・。