マイホーム建築
職場の同僚がマイホームを建てる事になりました(*^_^*)/
マンション購入ではなくて一戸建て購入です!
「思い切ったね~、おめでとう!」
と話していると
「実は太陽光発電を付けるつもりでいるんだけど、売電で収入が増えるから節税のために会社を作ろうかと思って」
とビックリ発言!
聞くと太陽光発電パネルを取り付ける業者から「所得が増えて税金が増えるから、会社を作ってその会社からの収入という形にした方が税金を減らせて節税になりますよ」と勧められたとの事。
ウムムムム?
この業者の話は本当か(@_@)?
検証してみましょう。
太陽光発電の買い取り価格
まずは太陽光発電について調べてみましょう。
一般家庭向けの太陽光発電は、元々は「自宅の電気を自分の太陽光パネルで補って節約しよう!」という位置づけの商品でした。
ところが東日本大震災が起きて福島原発事故が発生し、日本中の原発が停止をよぎなくされる中「これからは再生可能エネルギーだ!」という世論と政府の思惑が一致し「簡単に設置が出来る太陽光発電を増やして日本の電源にしよう!」という世の中の流れが出来ました。
そして太陽光パネルを設置した年に決めた価格で「20年間電気を買い取りますよ」という制度を作りました。
これを再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)と呼びます。
自分の設置する太陽光パネルの性能から大体の発電容量が分かり、それによって今後20年間の収益が固定で予測可能という事から、節約手法だった太陽光パネルが投資案件へと変わっていきました。
現在の太陽光発電での買い取り価格を確認してみましょう。
資源エネルギー庁で買い取り価格が公開されています。
【太陽光発電の買取価格・期間等】
太陽光 | 10kW以上 | 10kW未満 | 10kW未満(ダブル発電) |
---|---|---|---|
調達価格 | 32円+税 | 37円 | 30円 |
調達期間 | 20年間 | 10年間 | 10年間 |
先ほど20年間と書きましたが、発電容量によって固定価格での買い取り期間は10年になる場合もあるようですね~。
ちなみにうちの同僚が設置する太陽光パネルは20キロワットと言っていましたので、表の一番左の「10kW以上」に該当し、調達価格が32円+税と調達期間が20年という事で20年間「32円+税」の価格で購入してくれるようです。
高いんだか安いんだか全然分かりませんね(^o^;
実際の得られる収入
買い取り価格は分かりましたが肝心の「一体年間幾らぐらい儲かるの?」という部分が見えてきません(-_-;
「一体全体幾ら儲かるんだ~?」
と探し回っていたら、それらしい所を見つけました。
太陽光発電の電気を売って収入を得る事を「売電(ばいでん)」と呼ぶようですね。
上記の表をそのまま信用すると
売電収入合計:7,296,000 ~ 8,025,600 円
売電利益合計:4,486,000 ~ 5,625,600 円
という訳で20年間で800万円ほどの収入になるようです。
経費を引いた利益部分は20年間で500万円ほどの収入みたいですね~。
あ、上記の表は10kWの場合の発電量での話なので、同僚の場合は20kWで上記の倍になります。
20年間の売電収入は
800万円 × 2 = 1,600万円
20年間の売電利益は
500万円 × 2 = 1,000万円
と、なりますね。
これさえ分かれば後は簡単♪
毎年の収入と利益を計算してみましょう(^-^)/
1年あたりの売電収入
1,6000万円 ÷ 20年 = 80万円/年
1年あたりの売電利益
1,000万円 ÷ 20年 = 50万円/年
と、なりまして年間収入として増えるのが80万円、経費を引いた後の年間所得が50万円となりました(^o^)w
掛かる税金
年間所得として50万円増えると、年収にもよりますが所得税が5~40%、住民税が10%掛かりますので
【所得税の計算】
50万円 × 5% = 2.5万円
50万円 × 10% = 5万円
50万円 × 20% = 10万円
50万円 × 23% = 11.5万円
50万円 × 33% = 16.5万円
50万円 × 40% = 20万円
【住民税の計算】
50万円 × 10% = 5万円
と、なりました。
最小では7.5万円、最大でも25万円の税金の支払いが発生します。
日本人の平均年収は414万円(平成25年度)ですので、所得税率は20%。
まぁ実際には給与所得控除等もあるので、所得税率10%適用になりますかね。
と、なると所得税5万円に住民税5万円で合計10万円の税金支払いが発生します。
これを会社を設立しての諸費用や手間が下回れば良いのですが・・・
株式会社設立に掛かる費用
以前はてなブックマークで話題になっていた記事を参考にさせて頂きます。
http://python-financial-engineering.com/entry/how-to-make-company.html
こちらのブロガーさんがご自身で一式手続きをされて、結局22万円ほど掛かって株式会社を作る事が出来たそうです。
ブコメでも「業者に頼んで会社の登記をしてもらっても23万円で出来たぞ!」と載ってましたので、まぁ22万円掛かるとしましょう。
会社設立の初年度に最初に22万円掛かります。
そして翌年からは、会社が赤字であろうとも必ず納めなければいけない税金もあります。
それが法人住民税で最低でも7万円納める必要があります。
内訳は法人県民税(均等割)2万円と法人市民税(均等割)の5万円で合計7万円になります。
初年度に22万円掛かり、2年目以降は毎年7万円ずつ出費が嵩みます。
わずか10万円の増税分を節税するために毎年別の税金を納める必要がある。
毎年10万円税金が掛かっていて、これを無税(0円)に出来たとしても法人住民税が7万円掛かって差し引き節税額はたったの3万円。
しかも会社設立したら赤字であろうとも決算をしたり帳簿付け等も発生しますからその手間たるや3万円なんかでは収まらないでしょう!
しかもきっとこの話には裏があって
「会社作って節税しましょう!」
↓
「会社の帳簿付け大変でしょう、会計事務所が引き受けます!」
という流れになってさらに会計事務所にお金を支払う事になるのが見え見えです(>_<)
同僚よ太陽光発電で会社を作るのは、やめておけ!
節税どころか食い物にされるぞ!!!
まとめ
- 太陽光発電で収入が増えるからと言って業者の話を鵜呑みにしない!
- 自分できちんと増える収入と、それに掛かる税金を計算してみると、支払う税金は案外たいした事がない。
- 太陽光発電業者と会計事務所がグルになって手ぐすね引いているから、気をつけろ!