個人事業開業届と屋号
昨日は「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出にまつわるお話を紹介しました。
フリーランスとして独立した方が最初に税務署に提出する必要のある書類になります。
また、併せて提出する事を推奨されている「所得税の青色申告承認申請書」の提出についても紹介しました。
そして昨日は時間が無くて割愛しましたが、この「個人事業の開業・廃業等届出書」と「所得税の青色申告承認申請書」の両方には実は「屋号(やごう)」を書く欄があります。
皆さん、屋号ってご存知ですか?
普段の生活ではほとんど聞かない名前ですね(^^;
私もフリーランスを目指して色々と勉強してから知りました。
屋号とは・・・
デジタル大辞泉の解説
【屋号】や‐ごう〔‐ガウ〕
- 家屋敷の各戸につける姓以外の通称。先祖名、職業名、家の本家・分家関係などによって呼び分けた。家名(いえな)。門名(かどな)。
- 商店の商業上の名。生国や姓の下に「屋」をつけたものが多い。「越後屋」「三好屋」など。
- 歌舞伎俳優などの家の称号。「音羽屋」「成田屋」「成駒屋」など。
元々は家屋敷に付ける名前だった様ですね。
後は商店の名前。
歌舞伎で「よっ!成田屋!」とかの掛け声が掛かりますよね、アレも屋号を呼んでいるそうです。氏名や役者名じゃなくて「屋号で呼ぶ」独特な文化ですよね~。
で、個人事業主にとっての屋号とは正に「2.商店の商業上の名」に一致しますかね。
自分の名前を名乗る時に「日本 太郎です。」と名乗るのか「越後屋の日本 太郎です。」と名乗るのかの違いになるというか。
会社でいう所の会社名が、個人事業主の屋号になりますね(^-^)w
一般的には自分の行っている事業をイメージできる名称を屋号に付けるのが良い、とされています。
会社名とは違うのは「株式会社」と入れなくて良い点。
株式会社の場合には必ず前か後に「株式会社 XX」とか「YY 株式会社」と入れなければいけません。
個人事業主の屋号にはこの制限は適用されませんのでもう少し自由な名前にする事が出来ます。
屋号なし
また、会社の場合には「必ず会社名を付けなければいけない」決まりがありますが、逆に個人事業主の場合には「屋号は付けても付けなくても良い」という決まりになっています。
色んな種類の仕事をされる方や、既に個人名が充分有名になっている方などは、わざわざ屋号を付けなくても良いのかな、と。
後は単純に「屋号の名前を考えるのが面倒くさい」とか「会社倒産のあおりを受けて急に独立しなければいけなくて時間がない」と言った理由で屋号を付けない場合もあるでしょう。
ですが個人的には
せっかく独立するんですから自分の事業に名前(屋号)を付けてあげたいじゃないですか!
という気持ちが強いです。
自分の氏名以外で名前を付ける機会ってなかなかないじゃないですか。
ブログ名を付けたりサイト名を付けたりはあるかもしれないですけど、それらは全然公的な物じゃないですし。
きちんと税務署にまで届け出て、今後ずっと自分の事業を名乗ったり人に紹介したりする時に使えるのが屋号です。
こんな公的な名前を考えて付けられる機会ってなかなかないですよ。
次、付けられるとしたら売上が1,000万円とかを超えて来て「よっしゃ、そろそろ法人成りするか!」っていう時に会社名を付けられる時くらいのもんです。
フリーランスになる方はぜひ素敵な屋号を考えて、自分の事業に名前を付けてあげましょう(^-^)/
屋号のアイデアの出し方
で、勿論ですが私も屋号を付けました(^o^)/
ただですね、いざ屋号名を考えるとなかなか良い名前って出てこないんですよ~(^-^;
他の人が付けていなくて(実際には被っていても可)、事業のイメージが出来て、言いやすく、響きの良い言葉。
なかなかですね、すぐには浮かびません。
そこで私が実際に行った屋号名のアイデア出しの手順を公開します(^-^)/
【屋号名のアイデア出しの手順(マネー報道版)】
- まずは屋号を100個考えれる!
- 10個程度に絞り込む!
- 他社と被らないか調査!
- ドメインは取れるか?
- 漢字・カタカナ・ひらがなで検討!
- 人に伝える時に恥ずかしくないか?難しすぎないか?
実際の手順を細かく見てみましょう!
1.まずは屋号を100個考えれる!
まずは「下手な鉄砲数撃ちゃ・・・」じゃないですが、とにかく数をたくさん出してみる事にしました。
どんなアイデアもとにかくは数を出さない事には自分が慣れてこないというかコツが掴めないといいますか。
良い名前、悪い名前、なんじゃそりゃな名前・・・。
どんな名前でも良いので「これかな?」と思った物を考えていきます。
そしてドンドン思いつくものを手帳に書いて行きます。
沢山考えるので、後から見た時に「何でこんな名前を出したんだっけ?」と分からなくなる事もあるので、出来れば名前とその名前を思いついた理由を書いていきます。
最初の30個くらいは勢いで書けますが、それから先は結構苦しみます(^-^;
なんだかんだで1ヶ月の間に、100個くらいはなんとか色んなパターンで出してみました(^-^)w
2.10個程度に絞り込む!
100個名前を出せたら、次に絞り込んでいきます!
100個考えた名前を後から見直すと「何でこんな名前なんだよ!」と自分に突っ込んでやりたくなるような名前もたくさんありますが、これも産みの苦しみの1つです。
100個の中から事業イメージが湧いて、響きも良いものを10個くらいに絞り込みます。
と言うか100個出した段階で「これは良さげな名前」という物がだいぶん分かってきていますので、すんなり選べると思います。
3.他社と被らないか調査!
次に、その10固定程度に絞り込んだ名前が他所(よそ)で使われていないかを調べます。
Google先生にその名前を入れてみて検索します。
すぐ思いついた様な名前は、やはり世の中の社長さん達も思いつく方が多いようで、既に存在する株式会社名と被りました(-_-;
既存の名前を使えなくはないですが、どうせ付けるんなら誰もまだ付けたことがない名前をつけたいと言うもの。
他社(他屋号)と被っていたものも候補から外していきます。
4.ドメインは取れるか?
屋号を作ったら当然、その屋号名でHPを作りたいという物♪
狙うは「~.com」か「~.net」などのドメインです!
しかし良さげな名前の「~.com」ドメインは大抵使われています(>_<)
少しもじったり、綴りを変えて屋号のドメインが空いてないかチェックします。
ドメインの空きチェックは下記サイトが簡単に出来て便利です(^-^)w
まぁ最悪は「~.com」や「~.net」のドメインは諦めて空いているドメインを取るというのもありますが(^-^;
いずれにしても屋号決定前に「どのドメインなら取れるのか?」は把握しておいた方が良いでしょう。
5.漢字・カタカナ・ひらがなで検討!
残った名前の内、その名前を漢字にするのが良いのか、カタカナが格好良いのか、ひらがなが柔らかい印象で良いのか、など書き換えてみます。
そすうると自然と感じでしっくりくるものや、カタカナにした途端に意味が分からなくなってみたり、ひらがなだと幼稚な印象になってみたりと、かなり雰囲気が変わるので面白いです。
色んなパターンに書き換えて考えてみましょう!
6.人に伝える時に恥ずかしくないか?難しすぎないか?
またほぼ決まってきたら、実際に人に伝える時に「その名前を言って恥ずかしくないか?」、または「名前が難しすぎて相手に伝える時に苦労しないか?」を検討します。
格好良い名前でも、Hな名前だったり何かの隠語になっている様な名前だと恥をかきます(^o^;
素敵な名前でも漢字で20文字もある様な名前で、お店で領収書を書いてもらう時に説明が難しすぎるのは実用上使いにくいでしょう(-_-;
屋号って、名刺交換の時とかにも名乗り読み上げますし、色んなお金を支払う場面で領収書にも書いてもらう必要があるので、2回も3回も説明しないと相手に伝わらない名前は避けた方が良いでしょう。
そうして絞り込み、他所で使ってなくて、パターン検討して生き残った名前の中から
「これだ!この屋号名で行くぞ!」
と思えるものを絞り込んで決定します。
と、以上が私が実際に行った屋号名のアイデア出しの手順です。
こうしたステップを通して、ようやく自分の納得できる屋号名を決定しました(*^-^*)v
あ、でもブログでは恥ずかしいので屋号名は伏せておきますけれども(^o^;
皆さんも素敵な屋号を考えて独立時には、開業届にササッと屋号名を書いて提出しましょう!
まとめ
- フリーランスの屋号とは、会社の会社名の様なもの。
- フリーランスは「屋号をつけない」という選択肢もある。
- 素敵な屋号を付けるための6つの手順を大公開!