最後の飲み会
2015/04/10(金)に会社員としての最後の飲み会に出席してきた。
既に退職済みではあったが、3月中に一緒に飲めなかった人達が誘ってくれて小さめの送別会を別途開いてくれたのだ。
私との別れのためにわざわざ会を催してくれた事を非常に感謝しつつ、杯を傾けてきた。
学生を卒業し就職した会社で十数年お世話になり、このたび退職をした。
これからは会社員ではなく、個人事業主として自ら食べていく道を選択した。
今日は今週のお題特別編「この春に始めたいこと・始めたこと」
〈春のブログキャンペーン 第2週〉に沿ったお題で書いてみたいと思う。
でも今日書く内容は少し後ろ向きの内容かもしれない。
痛感したこと
最後の飲み会に参加すべく久々に街へ出たのだが、ちょうど18時頃に街中の駅の地下街を歩いた。
仕事帰りの会社員と多くすれ違った。
会社員の人達は当然スーツに身を包んでいる。
個人事業主の私は私服である。
忙しく家路を急ぐスーツの人。
幾人かのグループで飲みに繰り出すスーツの人々。
残業のために晩ご飯を食べに出てきたスーツの人々。
そんなスーツ姿の会社員の人達とすれ違いながら、なんだろう物凄い疎外感に襲われた。
会社員であるが故の「連帯感や仲間意識」を共有している人達。
片やごく少数派である個人事業主としての私。
同じ地下街を歩いていてほんの10cm隣をすれ違う人々と、物理的な距離は10cm程度ではあったが、そのとき心が感じていた距離は100m程度離れている様に感じた。
というか目には見えないが明らかに大きな壁があり
「もう自分はそっち側の人間ではないんだな」
というのを痛感し、距離を感じた。
「自分は1人ぼっちであり、もう仲間はいない」
と。
すれ違いそれこそ飲みにいく会社員の人達は、これから仕事のグチをこぼし、上司や顧客をやり玉にあげつつ自分達の仲間意識を共有するのであろう。
しかし個人事業主として独立し、文字通り独りで立って仕事をする事を選んだ私に仲間はいない。
これまでも別に仲間欲しさに会社員という道を選択した訳ではなかったのだけれど、周りには同僚や上司や後輩という多くの”会社員の仲間”に囲まれ過ごしてきた。
小中高大と過ごしてきた学生時代の友人達との繋がりとも違うが、それでも「会社員の仲間」に囲まれ、仲間と色んな意識や思いを共有しながらはある意味「気持ちが良かった」。
心地よさと安心感がそこにはあった。
そして現在私はその心地よさと安心感を手放した存在となった。
会社員仲間が与えてくれた「心地よさと安心感」を失ったからこそ私は孤独を感じ疎外感を受けたのだと思う。
自由が欲しくない?
丁度昨夜ホッテントリに入っていた記事で「多くの人は自由なんて欲しくないし、人生なんか変えたくない」というのがあった。
多くの人は自由なんて欲しくないし、人生なんか変えたくない - クソログ
人間は習慣の動物なので、一度やりたくもないことをして生活をするパターンが身に付くと、そっちの方が慣れ親しんだ感じがするようになります。人生や自分を変革する面倒な作業よりも、日々の生活に追われる方がよいと考えるようになります。
人間は社会的な動物で、何万年も前から群れの中で生きてきました。そしてこれからもそうでしょう。
だから人は何かに所属していないということに根源的に不安や恐怖を感じるようになっているのです。
確かに辛く厳しい仕事なんて、社会人になってすぐの時にはやりたくなかった様に思う。
だがそれらを乗り越えて会社員として一人前になってくると、逆に会社員でいることが心地よくなってきていた感覚は確かにあった。
id:lets0720さんが言うように
人は何かに所属していないという事に根源的に不安や恐怖を感じるようになっているのです。
これは正しく現在の私にピッタリの事なのだろう。
「会社」に属し、「会社員」として自分。
周りに大勢いる「会社員仲間」との繋がり。
振り返って私は現在何にも属していない。
「個人事業主」ではあるが、それは1人でやっている事であって何かに属している状況ではない。
せいぜい住んでいる地域の町内会に属している程度であろうか。
後は特段属しているものはない。
「安心感」という観点から見れば、会社員時代と現在の個人事業主の立場としては圧倒的に会社員時代の方が上だろう。
毎月一定の給料がもらえ、周りには大勢の会社員仲間がいる。
片や毎月不安定な収入を得、孤独に1人仕事をする個人事業主の自分。
比べるべくもない。
経営者は孤独
最近、独立開業されたid:tktyoさんも書かれていたが
http://weblevel1.hatenablog.jp/entry/2015/03/09/180723
僕は起業は尊いことだと思っています。普通ならば起業するだけの行動力も、決断力も起きないと思います。なので、起業した人は「起業しよう!」と思いたち、行動に移した時点で素晴らしいことを成し遂げたと思っています。
その反面、誰にも理解されませんし、何より孤独です。
僕もパートナーもそうですが、血のつながった親からも理解されませんでした。
起業家(会社経営者、個人事業主含む)は孤独である、と。
そう、大抵の場合周りの人々には
「どうして独立なんかするの?」
という部分が理解される事はない。
「なぜ安定の会社員をやめるの?なぜ会社員のままじゃいけないの?」
と。
特に会社の上司に「会社を辞めようと思います」と話した時には、色々な事例を出しつつ反対された。
まぁ上司としては「こいつは道を踏み外そうとしている!止めてやらなくちゃ!」という思いからアドバイスをくれたのしょうが。
そういった反対の声も押し切って会社員を辞めて、個人事業主となった。
会社員仲間を失い孤独に苛まれながらも、個人事業主の私は前に進む。