年金の話題
2014年09月第1週はフリーランスのマネー講座第2弾「年金」についての話題を書いています。
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フリーランスの老後の備え「国民年金基金」の加入も将来的に考えておこう!フリーランスのマネー講座♪ - マネー報道 MoneyReport
国民年金基金。色々と不評も聞きますが、設立されて20年しか経ってなくて財務も健全なので入って良いと思うんですけどね(^_^;)
昨日は国民年金基金のご紹介をしました。
フリーランスの老後の備えとしては良さげなのですが、途中解約が出来なかったり、65歳を過ぎるまでは掛け金を取り戻す手段がなかったりと、収入が不安定なフリーランスの方には使い勝手の悪い制度でした(-_-;
相当、経営というか軌道に乗るというか、安定した収入が入ってくる様になってからじゃないと掛けられないですね、国民年金基金は。
「もうちょっと使い勝手の良い老後の備えはないの?」
と思われる方もいるかと思いますが、それがあるんです(^^)w
今日はそんなフリーランスの老後の備えのお勧め金融制度のお話。
小規模企業共済
初めて耳にする方も多いかもしれません。
小規模企業共済
って。
小規模企業共済(しょうきぼきぎょうきょうさい)は、国が個人事業主や零細企業経営者等の退職金をもらうことが出来るようにと昭和40年に作られた制度になります。
中小機構(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)が運営を行っています。
予定利率は1.0%となっています。
http://www.smrj.go.jp/skyosai/
小規模企業共済公式HP
http://www.smrj.go.jp/skyosai/000876.html
小規模企業共済の制度の紹介ページ
細かいところを見ていきましょう。
加入資格
加入資格は下記の様になっていますが、まぁフリーランスの方は普通に加入出来ます(^^)w
個人事業主1人の方でも加入できます。
常時使用する従業員が20人(商業とサービス業(宿泊業、娯楽業を除く)では5人)以下の個人事業主やその経営に携わる共同経営者、会社等の役員、一定規模以下の企業組合、協業組合、農事組合法人の役員の方です。
掛金について
小規模企業共済の月々の掛け金は、1,000円から7万円までの範囲(500円刻み)で自由に選べます。
月額最高7万円までの積み立てが可能なので年間にすると・・・
7万円 × 12ヶ月 = 84万円
となりまして、年額84万円まで積み立てる事が可能です。
しかも小規模企業共済の掛け金は全額が「小規模企業共済等掛金控除」として課税対象となる所得から控除する事が出来ます。
年間84万円の控除額は結構大きいかと思います(^^)w
共済金(解約手当金)について
個人事業を廃業したり、会社等の役員を退任した場合などに、事由に応じて共済金(解約手当金)を受け取る事ができます。
そして事由に応じてもらえる共済金の金額が違ってくるので注意が必要です。
フリーランス(個人事業主)が共済金を受け取るための事由を見てみましょう。
ちなみにこの表の上から順に共済金のもらえる金額が減っていきます。
一番上の事由の「共済金A」が一番多くもらえ、一番下の「解約手当金」が最も金額が少なくなります。
【個人事業主の請求事由】
共済金等の種類 | 請求事由 |
---|---|
共済金A | ・個人事業を廃業した場合 ・配偶者・子以外に個人事業の全部を譲渡した場合 ・共済契約者の方が亡くなられた場合 ・全額金銭出資により個人事業を法人成りした場合 |
共済金B | ・老齢給付(65歳以上で180ヶ月以上掛金を払い込んだ方) |
準共済金 | ・配偶者・子に個人事業の全部を譲渡した場合 ・個人事業を法人成りして、その法人の役員にならなかった場合 ・金銭以外の出資により個人事業を法人成りして、その法人の役員にならなかった場合 |
解約手当金 | ・任意解約 ・機構解約(掛金を12ヶ月以上滞納した場合) ・個人事業を法人成りして、その法人の役員になった場合 ・金銭以外の出資により個人事業を法人成りして、その法人の役員になった場合 |
基本共済金の金額です。掛金月額1万円の場合の表になります。
【基本共済金受取額一覧 掛け金月額1万円の場合】
掛金納付月数 | 掛金残高 | 共済金A | 共済金B | 準共済金 |
---|---|---|---|---|
5年 | 600,000円 | 621,400円 | 614,600円 | 600,000円 |
10年 | 1,200,000円 | 1,290,600円 | 1,260,800円 | 1,200,000円 |
15年 | 1,800,000円 | 2,011,000円 | 1,940,400円 | 1,800,000円 |
20年 | 2,400,000円 | 2,786,400円 | 2,658,800円 | 2,419,500円 |
30年 | 3,600,000円 | 4,348,000円 | 4,211,800円 | 3,832,740円 |
やはり共済金Aが一番多くもらえますね。
退職する時がこの共済金Aに該当します。
表には載っていませんが、もし途中でどうしてもお金が入り用になって「任意解約」したりする場合に受け取れる解約手当金は、掛金納付月数に応じて、掛金合計額の80%~120%相当額が受け取れるそうです。
ですが掛金納付月数が、240ヶ月(20年)未満の場合は、掛金合計額を下回るという事で、小規模企業共済に入る時には20年以上加入するつもりで入るのが良いかもしれません(^^;
ちなみに途中で掛け金を増額したり減額したりは自由に出来るので、収入が減ってきた時には掛け金を下げたり、収入が増えてきたので掛け金を増やしたりといった事はスムーズに行う事が出来ます。
借り入れも出来る!
小規模企業共済のもう1つの大きなメリットに、「契約者貸付制度」があります。
これは納付した掛け金の7~9割分の金額を低利で貸付を行ってくれる制度で、即日~数日で貸付をしてくれるという有り難い制度です。
小規模企業共済を500万円積み立てていたとすると、その内の7~9割ですので350万円~450万円程度を上限に、6ヶ月~60ヶ月の貸付期間で借りる事が出来ます。
ちなみにこの貸付は無担保、無保証、即時融資が受けられるという非常に有り難いもの。
一般貸付は1.5%の利率になりますが、病気や怪我、経済情勢の悪化により資金繰りが苦しい場合などは0.9%という低利で借りる事が出来ます。
【契約者貸付制度の利率】
種類 | 利率 |
---|---|
一般貸付 | 1.5% |
創業転業時・新規事業展開等貸付け | 0.9% |
傷病災害時貸付 | 0.9% |
緊急経営安定貸付 | 0.9% |
まとめ
- フリーランスの退職金は「小規模企業共済」で貯められる
- 小規模企業共済の掛け金は全額社会保険料控除に算入できる
- 契約者貸付制度で0.9~1.5%の融資を受けられる
連載目次:フリーランスの年金
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