米国雇用統計 失業率7.3%、雇用者数変化+20.4万人
2013/11/8(金)22:30に発表されたアメリカの雇用統計発表で雇用の改善が示されました。
発表された内容を確認してみましょう。
10月失業率
予想 7.3% 結果 7.3% 前回 7.2%
10月非農業部門雇用者数変化(前月比)
予想 +12.5万人 結果 +20.4万人 前回 +14.8万人
となっています。
失業率は9月より0.1%悪化しています。
しかししかし、非農業部門雇用者数変化が市場予想よりも+8万人も多い「+20.4万人」となりました。
雇用の改善が示された結果となりました。
+20万人の雇用増加が示すもの
雇用者の増加が+20万人。多いですね。
そしてこの「+20万人」という雇用者の増加は、ある重要な金融政策の継続と縮小の節目でもあるのです。
その重要な金融政策とは、勿論QE3(量的金融緩和政策)の事を指します。
2013年10月のアメリカ政府と議会のゴタゴタで「アメリカの経済は10月はイマイチだったんじゃないか?」との思いが世界を巡りました。
しかしそんな世界の思惑を見事に裏切り、2013年10月のアメリカの経済は上向きだったのです。
雇用者数の増加もそうですが、2013/11/7(木)に発表された米国7-9月期 四半期実質国内総生産(GDP速報値)も市場予想の2.0%を大きく上回る2.8%との好数字を出しています。
アメリカ経済は現在上向きなのです。
グラフで確認
ではQE3縮小開始の目安が「+20万人」て何を根拠に言ってるの?と思われるでしょう。
グラフで説明したいと思います。
下のグラフはアメリカの非農業部門雇用者数変化の過去6年間の推移を表したものです。
青い縦線がQE1の開始から終了まで、オレンジの縦線がQE2の開始から終了まで、赤色の縦線がQE3の開始となっています。
QE1の導入時は-15.9万人、悲惨な状況です。
現在プラス何万人と発表されている雇用者数が毎月マイナスを付けています。
最悪期は2009/04の-66.3万人。失業者が街に溢れかえったのは想像に難くない。
QE1解除は雇用者数が大幅なプラスに転じ+43.1万人増加まで来てからとなっています。翌月はその反動でマイナスに転落しています。
QE2は雇用者数が+15.1万人で導入され、+5.4万人で解除。前月までが+20万人を越える雇用者数を記録しています。
QE3は雇用者数が+9.6万人で導入され、2013年10月現在で+20.4万人となっています。
これらが指し示すのは、+20万人を越えた現在、FRBが考えるQE3縮小開始のスタートを知らせる号砲となりえるのです。
2013年12月FOMCでQE3縮小開始か!?
直近に開かれるFOMCは2013年12月。来月です。
10月時点の市場予想では「アメリカ経済は自分達で混迷させちゃったから、年内に雇用回復なんて無理で来年だろう!2014年3月のFOMCなんじゃないの?」との声が大多数を占めてきていました。
そんな矢先の2013年10月の雇用者数増加+20万人越え。
QE3は「アメリカの雇用回復」のために導入された金融政策です。
そのアメリカの雇用が回復してきています。
もちろん10月だけが雇用者数増加+20万人で来月+15万人程度の数字になれば見送りもあり得ますが、11月も雇用者数増加が+20万人を越えてくる事があるのならば、12月のFOMCは大注目の的となるでしょう。
QE3縮小開始となるのか?見送るのか?
今回の非農業部門雇用者数変化+20.4万人が、QE3終焉への号砲だったと振り返る日が来るかもしれません。