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量的金融緩和政策(QE3)の終焉、いつやってくる? 非農業部門雇用者数の目安

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量的金融緩和政策(QE3)の開始理由

現在米国が執っている量的金融緩和政策(QE3)は非常時の対応のために導入された事は以前の記事「QE3テーパリングは失業率7%? QE1、QE2を振り返る」で書いた。

ではQE第3段となった今回のQE3が開始された理由を振り返ってみよう。

QE3は「労働市場(雇用)を刺激して景気を回復させるため」に導入された。
理由自体が雇用者を増加させるためだった。

この様になかなか回復しない景気の刺激策として、導入されたQE3
2013年5月に現FRB議長であるバーナンキ氏が「QE3縮小、解除が近い」との発言で、それまで日銀の異次元金融緩和で円安・株高に沸いていた日本を叩き落とした事は記憶に新しい。

QE3の縮小への道のりは2013/05に始まった。

非農業部門雇用者数変化に着目 目安は20万人増?

2013年9月の米国雇用統計が10/22に発表されたが、ここで発表された経済指標で「非農業部門雇用者数変化(前月比)」は14.8万人増加と、前月比では増えているものの、前月の増加数よりも下がり雇用回復の道のりの遠さを感じさせた。

QE3の解除にはどの程度の雇用回復があれば良いのだろうか?
失業率については概ね7~6.5%まで下がってくればQE3の解除の目安になりそうな事は前回の記事で書いた。
では非農業部門雇用者数変化の目安はどの程度であろうか?

下のグラフは米国の非農業部門雇用者数変化の過去6年間の推移である。

f:id:MoneyReport:20131026104613p:plain


青い縦線がQE1の開始から終了まで、オレンジの縦線がQE2の開始から終了まで、赤色の縦線がQE3の開始となっている。

それぞれの時の非農業部門雇用者数変化もグラフに記載した。

QE1の導入時は-15.9万人、悲惨な状況である。
現在プラス何万人と発表されている雇用者数が毎月マイナスを付けている。
最悪期は2009/04の-66.3万人。失業者が街に溢れかえったのは想像に難くない。
QE1解除は雇用者数が大幅なプラスに転じ+43.1万人増加まで来てからとなっている。翌月はその反動でマイナスに転落している。

QE2は雇用者数が+15.1万人で導入され、+5.4万人で解除。前月までが+20万人を越える雇用者数を記録している。

QE3は雇用者数が+9.6万人で導入され、2013年09月現在で+14.8万人となっている。
過去のQE解除を考慮に入れると、+20万人をコンスタントに越えてくると打ち切り時期となるだろうか。

懸念は次期FRB議長に指名されたイエレン氏か

非農業部門雇用者数変化のQE3解除目安は出たが、実際にその程度の雇用者数で解除されるかは微妙である。

というのもこれまでのFRB議長であるバーナンキ氏は、緩和政策推進派でまさしくデフレ状況の時に活躍できる人材であった。

次期FRB議長は既にオバマ大統領が指名しているが、初の女性議長となるイエレン氏である。
イエレン氏は雇用創出を重視するハト派として知られる。
雇用が十分な回復を見せるまでQE3を解除しない可能性が高い。

しかしQE3が十分な景気回復をしているのに、雇用が不十分という理由だけで続けると、新たなバブルを作りかねない。

今後はQE3の出口戦略が神経質な問題として、市場参加者の関心事となるだろう。